庭の心は住む人の感性、作る人の技、そして、日本一の腕を目指す職人達の心いき。出会いを大切にしています。
時の風をとらえた庭を。
いい庭とは何であろうか。
多年に亘る庭作りを振り返る時、眼前に浮かび上がるのは、野にすっくとそびえる杉の幹である。人口的に作り上げた松や、ゆきとどいた人口の枯山水の庭に、私は余り魅力を感じない。だが自然の杉の幹に感銘を覚えるだけでなく、私の造園の理念は、日本人の日常の心を庭に表現することである。
現代に生きる私にとって杉の木立の感動を再現し、人々とそれを分かち合いたいとしたらそれはいったい何であろうか。素朴で堂々としていて、自然の何物も破壊することがなく半坪の庭でも数千坪の庭でも、自己の表現をそなえるのが「石」であり、河原の石、遠く飛鳥の石、それぞれの表情をもったその他の石と樹木と空間のつり合い、それこそ私の追求する作庭であり、好ましい庭と考えている。